あることないこと

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cero 『My Lost City』

昨年から名前はよく見かけていたceroです。
今年のアジカンのナノムゲンコンピで『マイ・ロスト・シティー』を聴いて、やっとアルバムを購入しました。

My Lost CityMy Lost City
(2012/10/24)
cero

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これ、ケースから中身を取り出して、わ!ってなって、一通り聴いて、おお!って。
※訳:外ジャケもいいけど歌詞カードの表紙が素敵だったのです。で、私のライブラリーにはあまりない種の音楽だったので最初のインパクトがすごかった。

ミュージカルを観ている感じというか、ミュージカルのサントラでも聴いているみたいだと思いました。それは単純に自由奔放な曲の構成、特に『大洪水時代』『船上パーティー』あたりを聴いている時に感じたのだけど、そう感じるのはアルバム全体を通しての歌詞の物語感というか作り物っぽさにもあるのかなぁと思って。

ceroのインタビューが載っていたはずだと思って雑誌『yajirushi』を読み返しました。
都内でも郊外に住む彼らは、東京と聞いてイメージされる都市からは距離がある場所から、そのいわゆる「東京」を描写している、という話が。

yajirushi (ヤジルシ) 2013年 06月号 [雑誌]yajirushi (ヤジルシ) 2013年 06月号 [雑誌]
(2013/04/25)
不明

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これで納得。作り物っぽさの正体はceroの楽曲に多い「東京」の描写にあったみたい。それは地続きの場所として現実にある都市だけれど、東京のなかで東京の現実を歌うのではなく、少し離れたところから幻想も混じった東京を歌っている。ということかな。

「東京」の現実ではなく「東京」を舞台にした物語を歌っている感じ。だから、初聴でミュージカルだと思ったのはあながち間違いじゃなかったのかな、と。


アルバムタイトル『My Lost City』は、スコット・フィッツジェラルドの同名小説から取ったものらしいです。触発されてその短編集も買ってみました。村上春樹の訳。読んでみます。

マイ・ロスト・シティー (村上春樹翻訳ライブラリー)マイ・ロスト・シティー (村上春樹翻訳ライブラリー)
(2006/05)
フランシス・スコット フィッツジェラルド

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