あることないこと

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3月の楽しみ④

もう4月になってしまいましたが、
3月中に聴いたものから、書きたいことをちょっとずつ。

androp 『period』

初めてandropを観たのは2011年のSHIBUYA-AX
その時の印象はもう、一言「上手!」という感じ。
演奏スキルが高くて楽曲(音源)の再現性が見事。
それからしばらく間があって、次に観たのは2012年末のCDJだったのですが、
見違えるほど肉体的な、スキルだけに頼りきらず気持ちを素直に出すようなライブを
するようになっていて、それはそれは驚いたのでした。
その備わっていた技術面の精度と、おそらくライブで身に付けたであろう肉体性をもって
より鮮やかになったなぁ、というのが『period』に思ったことです。

1曲1曲が際立ってきて、アルバム全体でとてもカラフル。
M2『Voice』がシングルで発表された時はバンドとして随分オープンになった印象で
驚きましたが、良い意味での裏切り感がほかの曲にも散りばめられていて楽しい。
M3『Lit』〜M4『RDM』と「そんなのもあるか!」だし、
M7『Six』、M11『Time Machine』、M12『Under The Sun』あたりのシンプルさ、
バンドの初期衝動っぽさはandropにしては逆に新鮮だし、
M10『Neko』の自由でしっちゃかめっちゃかな感じも今までにはないところ。

そして付属DVDのスタジオライブ3曲に開いた口が塞がらない、という。
相変わらずの演奏スキルと一発撮りゆえの集中力との相乗効果、
その爆発力が半端じゃないです、このライブ。
スタジオライブの模様は確かUstで生配信してたはず。
観れた人が羨ましいなぁ…
記録じゃなくてLIVEだったらもっと凄かっただろうなぁ… なんて。


the HIATUS 『Keeper Of The Flame』

前作の3rd『A World Of Pandemonium』から、ELLEGARDEN色が抜け、
HIATUSでやるべき事、やりたい事を見出したような感触があったのですが、
そのHIATUS色がいよいよ深く濃くなってきたように思えた、この4th。
その音楽性が私としてはとても好きゆえに、
いつかエルレが活動再開するとしたらその時にはこちらが…
という事を考えると、とても切ない気持ちになります。
それは語弊を恐れずに言えば、これで最後だとしてもおかしくないようなアルバムだと
思うから。
HIATUS色、窮まったなぁ、な感じ。
“行き詰り”とは全く別物なんですが。

そしてHIATUSも発売日にUstでスタジオライブを披露してくれたのですが
(仕事終わりに滑り込んだのでラスト2曲しか聴けませんでしたが)
こちらもとても良かった…
最近のミュージシャンのUstで音楽を伝える試みは、
肝心の音も良く、カメラワークやスイッチング、ロケーションなどなども含めて
本当にハイクオリティだと思います。
やりたい時にやりたい事をぱっとできるのも良さだけど、
仕込んで作り込んだものを生配信で見せるのもとても面白いなぁ、と。

最近だとサカナクションの「グッドバイ セッション」
(まだサビ以外の歌詞がない『グッドバイ』を、環ROY君を招いて即興で歌っていました)
がとても気持ちいいグルーヴだったし、
J-WAVE企画の大橋トリオのライブも
フジの「僕らの音楽」を見ているようで素晴らしかった!
ライブのステージ上でなかなかできないことは配信でライブする、という試み。
音が紡がれる瞬間を目撃できることはとても幸せです。
「これが音楽なんだ」と実感できる場所が、Ust等の配信を通して増えたし、
ぐっと身近になったように思います。