あることないこと

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言葉が宿るところ - SAKEROCK「SAYONARA」

SAKEROCKのラストアルバム、最後の曲。そこはやっぱり、湿っぽい余韻が残るかと思いきや、曲はあらぬ方向に展開していく。あらぬというと語弊があるか。最後だけど、最後という情報を耳にする前のような、いつも通りのどこか千鳥足なSAKEROCKの音楽。

途中から唐突に始まる、ラララの歌声にドキリとする。何かを表現するものとして、言葉は歌には敵わないし、同じくどんな楽器の音色も、人の歌声には敵わないと思う。歌の中で言葉を尽くしたあとに挿入されるスキャットが、歌詞以上にものを語って聞こえることがあるように、この曲では5人の楽器の音では語り切れなかった思いが、ラララの歌声から溢れてこぼれ出ているような気がする。言葉や音からはみ出たものは、歌声になる。

夜が明けて、空、というかカメラを見上げたら、PVは終わる。SAYONARAはちゃんと、次が始まる予感を連れてくる。アルバムはこれから聴きます。楽しみ。