あることないこと

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パスピエ 『幕の内ISM』

すーごかった!はぁ、びっくりした。パスピエはサブカルの中のマスにはなるけれど、その域からは出てこないと思っていました。それが勘違いもいいところだったと反省しております。これは確実にそこからはみ出した、進出してきたアルバム。それくらい個性を保ったまま万人に届く、訴求力のある曲揃いだと思います。サブとメインの境目なんて自分の感覚的で曖昧な話ですが、なんというかサブ的じゃない重量感や濃さがある感じ。

まずは「七色の少年」がストライク。一聴とてもポップなものに、ちょいちょいと面白いフックを入れてくるセンスがさすがだなと思いました。そういう仕掛けは狙いすぎると聴きづらくなる可能性もあるのに、これは良い違和感を残しつつポップなまま。技術的にいくらレベルの高いミュージシャンでも、音楽的な知性がなければ絶対に出来ない業だと思います。他の曲でもとにかく曲中の展開のセンスが爆発していて。「誰?」は驚いて笑えたし、「わすれもの」は驚いて泣けました。私の頭にはまだなかった面白さへの驚きと、それを自然にこなしてくる凄さたるや。

あとは「あの青と青と青」や「瞑想」あたりの大胡田さんの歌。普段より線が太く深めのボーカルで、表現にも幅が増した感ありだと思いました。やくしまるえつこYUKI椎名林檎も足して割らずに自分のものにしちゃった歌唱、だと勝手に思っているのですが、それでいて無個性ではないのが本当にすごいところです。

…と、挙げた曲はネット上に公式音源がないという罠(汗)


そういえば『演出家出演』でハマって以来、まだそれ以前を遡って聴いていませんでした。パスピエについてはもう少し語る言葉を持ちたいと思う私。ライブにも行こう。できればワンマン。