あることないこと

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サカナクション 『グッドバイ/ユリイカ』

ユリイカ』についてはMV公開時にちょこっと書いたのですが。
その後に解禁された『グッドバイ』にもすっかり心打たれてしまったので、
シングル発売のタイミングでまた書きます。
いくつか、初聴からCDで改めて体験したまでの感想ツイートを。


ユリイカ』を聴きました。



『グッドバイ』を聴きました。



購入したCDで歌詞カード(ブックレット)を眺めながら聴きました。


『グッドバイ』で最初に感じたのは、あたたかさ。
というのは恐らく、サカナクションのこれまで以上にとても個人が、個人の素が
表れている曲だと思ったから。
山口一郎という人間が見える、その人肌の温度感みたいなものを感じたのかな、と。
一昨年あたりから続いてきたタイアップソング作り、テレビの歌番組への出演を通して、
自分たちに求められるものと、その見せ方に拘ってきた人たちだから、
自分たちが本来やりたいこと、「個」の部分を少しずつ殺してきたんじゃないかと。
そんな道を選んだから抑えざるを得なくなっていた「個」が、
いよいよ『グッドバイ』で抑えられずに出てきたという、そんな感じ。

歌詞の一節「だけど僕は敢えて歌うんだ」を、たぶん、
「だけど僕は耐えてたんだ」と歌っていること。
それでも歌う、という表に向けられた勇気(歌詞)と、
でも実は苦しかった、という本音(歌)の表れのような気がして、
ものすごく切なさの凝縮されたフレーズだと思います。

“歌詞カードが別な歌詞を作ってしまっている”というのは、
紙を透かして見ないと正規の歌詞が読み取れないようになっているページがあって。
例えば、
「どうだろう 僕には見ることができない ありふれた幸せいくつあるだろう」
の部分を用紙の片面だけで見ると
「どうだろう 僕には ありふれた幸せいくつあるだろう」
となっていたり。
一節の意味がひっくり返るじゃないですか。
“僕には見ることができない幸せ”という途方も無さと
“僕にしか見ることができない幸せ”という心強さ
だと私には思えまして。
聴こえる音だけでなく歌詞カードを眺めるにつけても、とてつもなく切ないな、と。


と書いてみて、ツイート以上にものを言うのはちょっと野暮だったな、なんても
思ったり。
音には触れませんでしたが(詞に引かれすぎる点、反省ものです)
2曲とも、曲頭の入り方と間奏が大好きです。